正直言って日本を発つ前は、どういった形で授業が行われているのか不安もありました。しかし実際はアメリカやカナダで行われている語学学校の授業と何ら変わりはありませんでした。

フィリピン人の先生は全員大学を卒業された方なので知識も豊富で発音もきれいで、とてもフレンドリーなので話をしていても飽きることがありません。しかも他の語学学校ではあまり行われていない1対1の授業が行われていることがこの学校の大きな魅力で、この授業で私は細かい発音、発声を叩き直されました。日本ではほとんどといっていいほど注意を受けなかった部分だったので本当に驚きました。

このことは自分の今までの英語の勉強法を見直す、いいきっかけになりました。所詮日本の大学で受けている英語教育では、ネイティブの先生自身が日本人の発音の悪い英語に聞き慣れてしまっているため、授業中に個人個人の発音をいちいち直すことはまずありません。そういった点も含め、この学校では日本で受けるのとは見方が違う、英語の勉強法の発見になったと思っています。

そして、ここセブ島では英語の勉強だけでなく、海外に来ているのですから当然ではありますが、日本ではまず体験することができない色々な経験ができました。その中でも私が特に印象に残っているのが、現地の学校訪問でした。学校から少し歩いたところに国が管理している幼稚園、小学校、高校(セブには中学校というくくりはありません)があります。現地の学校では実際どんな様子なのかしら?といったちょっとした興味から、校長先生へ見学の交渉をしに行き、高校の英語と数学のクラスを見学させてもらいました。

設備は決していいといえるものではありません。教科書は足りていないし教室も日本に比べると本当に粗末なものでした。生徒の年齢は12〜15歳でしたが、英語力は私達日本人の英語なんかとは比較にならないほど上手く、会話ができるのは当たり前、他の教科も英語で授業を受けていました。子供達と話をしていると、私の英語の発音や言い回し、文法を指摘したり直してくれるくらい英語を理解しているのです。この彼らの英語力に圧倒されると同時に、彼らの勉強に対する姿勢にも驚きました。教室にいる全員がノートとペンを片手に、先生が黒板に書くことを必死で書き写し、分らないところがあると即座に手を挙げ、身を乗り出して質問をしている姿をみると、日本の子供達にも見せてあげたいな。と思わずにはいられませんでした。

初めの2日間はただ授業の見学をしているだけでした。見学だけじゃなく、何かできないかな?と考え、3日目から日本から持ってきていた折り紙で、鶴や兜などを紹介する時間をもらいました。驚いたことに、私が想像していた以上に、彼らは日本について"経済発展した国"としか知らない子が多く、日本を紹介するものをもっとたくさん持ってくればよかったなと悔やみました。しかも、それ以上に、日本のことをもっと知りたいという彼らの質問に、英語で十分な回答、説明ができなかったことが、本当につらかったです。そのときの校長先生の残念そうな顔は今でも忘れられません。

そんなこんなで、英語を使ったパフォーマンスが満足にできなかったことを残念に思ううちに、時は過ぎていきました。高校訪問最後の日、みんなに挨拶をしている際、校長先生が私に、"機会があればもう一度来て欲しい。折り紙をもっと生徒に教えてあげたい。外国人のあなたが来てくれたことを生徒はすごく喜んでいた。"と言ってくださったときは、言葉では表せないくらいうれしかったです。こんな私でも喜んでもらえたんだという気持ちと、今度来る時までには英語を完璧にマスターしてきて、もう一度、完璧な英語で折り紙をレクチャーしなくちゃ。という気持ちになりました。

フィリピンでは日本とは全く違う世界が広がっています。興味を引くものや気になるものがあふれています。せっかく外国にまで来て勉強しているのであれば、その勉強だけでなく、少し他にも足を延ばしてみてはいかがでしょうか?それがきっかけで、意外と大きなものが得られるかもしれないですよ。

関西学院大学2年 難波 真伊子